私の愛した人

「可憐ちゃんはそのかっこ好きじゃないもんね。
僕は可愛いと思うけどな」

五島さんが猫なで声で可憐の頭を撫でた。

「No.32…あまりからかうとアンタまた…」

御冬さんが何か言い掛けたとき、可憐が私を脇に持ちかえて開いた片手で五島さんの手をひねりあげた。

「五島…私は優しいから今は許してやる…
でもまたやったらこのあいだよりひどいからな…?」

可憐はにっこりと不気味な笑みを浮かべて五島さんに言った。

こっ…怖い…

「ギブギブ!ごめんて!」

五島さんが苦しそうにもがいた。

「可憐…やめなさい?」

御冬さんが可憐の肩に手を置くと「でもぉ〜」と言うように可憐が手を離した。

「あー助かった!」

五島さんがホッと息をついて、自分の手をさすった。

「御冬〜」

可憐が不満そうな声を盛らす。

「今は尋問が先よ?
終わったら好きなだけ痛め付けていいわよ」

「本当か!?」

「えぇ」

なにこの『宿題終わったらケーキ買ってあげるわよ』って言ってる親子みたいな会話。

内容が全然可愛くない!

五島さんも怯えてるし!

「なら、早く尋問を終わらせないとな!」

可憐はおもちゃをもらった小さな子供のようにはしゃぎだした。