私の愛した人

「これは俺たちの組織で最も貴重な武器です。コレの名前は“空発銃”」

「空発?不発弾のことですか?」

私はなにがそこまで危険か理解できない。

五島さんは鼻で笑うとそれを私に手渡した。

「百聞は一見にしかず、です。
試し撃ちと行きましょう」

五島さんは私をさらに奥の部屋へと連れ込む。

その部屋の中にはいくつかの的が立っている。

それはなんとなく刑事ドラマで見た銃の訓練場のような部屋だった。

「あの的を狙って引き金を引いてみてください」

五島さんが私を的の前に立たせる。

私もここまでくると少し怖くなる。

目を閉じ、的も見ずに引き金を引いた。

銃声音が響き、私は衝撃に耐え切れず倒れてしまった。

「大丈夫ですか?」

五島さんが心配して私を助け起こしてくれる。

「最初はみんな衝撃に耐えられないんですよ」

彼は笑い、的の方をゆびさす。

残念ながら私の打った弾は的にはあたらなかったらしい。

だが、的の少し横にずれた壁には小さな穴が開いていた。

穴に近づいてみるとそこに弾丸は入っていなかった。

「薬莢が残らないようにそして、弾丸が残らないために空気だけで相手を打ち殺す。
もしこれが世に出てしまったら殺人が耐えなくなってしまうのでこの組織内の極秘機密です」