梅雨になろうとしているとある晩 「他人が考えてることって到底わからないわよね。」 と、ぽつりと琴未さんがつぶやいた。 「わかりませんね。」 「私ゆせの考えてること、特にわからないの。不思議ね。」 「そりゃまぁ付き合いが浅いですし。」 「浅いって、まだ浅いと思うの?」 「はい。」 はぁー、と大きなため息が聞こえた。