戒の膝の温もりを感じていた翼の耳にノックの音が響く。

「何か用?」

 開けた扉から顔を覗かせる筒井に眉を寄せた。

「戸塚が呼んでいる」

 ぶっきらぼうに発し、来るように顎で示す。

「仕方がないな」と翼は小さく溜息を吐き出した。

 戒に視線を送り、念を押すように口を開く。