ここは

もともとは、弦の実家

今は、二人の愛の巣

眠る前、ベッドの背もたれに
もたれて二人は会話を交わす

「千景、聞いてる?」

「えっ、ごめん、何?」

大きくなったお腹に、ずっと
触れ続ける千景の手。

「どうした
 体調でも、悪いのか?」

千景の額に手を当てるが
熱は無い・・・

「熱は、無いな
 
 どうした?」

最近のお前は、いつも
こんな感じで、瞳から
大粒の涙がひとつ、ふたつ
と流れていく。