「あの…どうかしましたか?」

勇気を出して声をかけると
泣きだしそうな瞳でこっちを見た。

「お、お財布を…」

「お財布?」

「どこかに落としたみたいなんです…。
今から家に帰るのに…」

「家って…?」

「・・・・・京都」