嘘吐きな親友

家に帰れば『マコト』と呼ばれてるって自嘲気味に笑うミコちゃん。
そんな現実に私は何も言えない。

「それでも最初の頃は…必死に身代わりをしてた。
我ながら健気だったと思うよ。
でも、心が折れそうになって…アメリカに逃げたの。
幸い、母が元気なうちはすぐに後を継ぐ必要もなかったしね。
本当はあっちで修士課程も考えたんだけど・・・」

ミコちゃん…。
過酷な運命を背負って生きて来たんだ。

私のコンプレックスなんて、ミコちゃんの前ではほんの些細な出来事に過ぎない。
「どんだけ小さいんだよ、私」って自分自身に突っ込む程に。