嘘吐きな親友

遠い目で自分の生い立ちを話すミコちゃん。
私は、掛ける言葉も見つからず、ただ黙って聞くしかない。

「姉を亡くした悲しみは…当然、私だけのものじゃなかった。
母はショックで寝込んでしまって。
目が覚めた時には・・・」

そのまま口ごもってしまうミコちゃん。
目が覚めて…それから、どうしたの?

「母は…私を姉だと思い込む事にしたの。
そうやって現実から逃げたんだと思う。
姉の名前は「心」って書いて『マコト』って云うんだけど、その日から私は『マコト』になった。
母は…記憶の中から私を消したんだよ。
姉ではなく、私をね…」

「そんなぁ…」