【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)




「翔ちゃんもっと流し目で!」



撮影が始まり、オフィスのセットで、私は回転椅子に座り、聖さんはデスクに座ってカメラを見る。

眼鏡を外し、耳当て部分を銜えてみたり、スリット部分を強調してみたり、ポーズを決めて行く。



「位置交代!翔ちゃんがデスクに座って、聖君は翔ちゃんに迫って」



安藤さんの要望に応える。

仕事だとわかってても、ドキドキする自分が居る。



「翔子、好き…っ」



耳元で囁かれ、俯きながらも、聖さんを上目で見てみた。



「…おぉ!2人とも良い感じだよ!」



私は顔が熱く、カットが掛かるまでカメラ目線が出来なかった。