【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)

3人でスタジオに入ろうとした時、聖さんの足が止まった。



「どうかしました?」



私は聖さんを見上げた。

聖さんは「ふぅー」と深呼吸をして、私を見た。



「“恋をしない”なら、しなくて良い。でも、俺は翔子ちゃんと零士と居たい。だから…付き合って下さい」



「……」



改めた告白に、私は固まる。



「俺がウザくなったら、“もう無理”って、突き放してくれて構わないから」



私は躊躇いながら頷く。

涙が出そうになるほど、胸が温かかさを覚え、幸せを感じたから。

―――この時からどこか、聖さんなら、好きになるかも知れないと、思い始めた。