【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)

今日ばかりは、零士とゆっくりしたかった。

「お疲れ様でした」と3人に告げ、重たい鞄を持ちながら楽屋を出る。

けど……鞄が急に軽くなった。



「何ですか?」



聖さんが持ったからだ。

私は隣に立つ聖さんを見上げる。



「…話がある」



「私はありませんよ」



早く帰りたくて―…
でも、そっとしておいて欲しいと思った。

しかし、聖さんは空いてた楽屋に私を押し込んだ。



「ちょっと…!!」



壁に追い込み、私と零士と聖さんにの吐息が重なる。

私は恥ずかしさから、聖さんを見れず、零士を見てた。