【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)

「勇士と知り合い?声、丸聞こえだったけど」



私は「知り合いです」と言って、畳に上がった。

聖さんから下ろされた零士を座布団に寝かせ、オムツを替える。

好子さんが「言わないの?」と、私を見る。



「言ってどうなりますか?
私は、零士と生きて行くと決めたんです」



零士を立たせてズボンを上げる。

零士は私の唇を引っ張りながら笑う。



「パプキャーッ!!」



丸で宇宙語だ。

私は「帰ろっか」と零士を抱っこしながら立ち上がる。

明日は早朝からテレビ番組ガイドの表紙撮影。

昼前からは、聖さんとの特集の第二段の撮影がある。