「ブレンドと言えばそうだが、種別で言えばダージリンのみだ。春摘み、夏摘み、時期で、あるいは栽培された土地柄でも茶葉の味は大きく変わるから、それを上手く配合しただけだ。色々混ぜた特製はあるにはあるが、万人受けするか分からないからな、今回は無難なものを淹れさせてもらった」
「こんなにも美味しいなら、その……色々な種類が入ったブレンドも美味しいと思うのですが」
「味の好みは人それぞれだ。甘いのが好き、渋みが欲しい。そもそも、紅茶よりもコーヒーがいいという奴までいるしな」(ちら)
ミルクどばとばーっと。
「コーヒーならば、お子様味覚の奴も好きに味を変えて飲めるが、紅茶はなかなか。ハチミツ、ジャム等でそれなりに味の調節はできるかもしれないが、渋みを加えたいとなると難しい。なればこそ、そこはやはり茶葉から――そいつが好む味に仕上げるのが不可欠になり。俺のブレンドは、たった一人の好みだけで作られている」


