うらばなし



「……」ハッ


「我が主は姫君のみだ、と嘲笑なさっております」


「犬が嘲るのかっ。あー、たく、あんたも変なこと言うなよな。いいからもう中入れ」


「では、失礼いたします」


「姫たちはもう応接間に――って、あれ?」


「誰もいらっしゃいませんね」


「キッチンか。ちょっと見てくるから、ここに座っていろ」


「いえ、まずは家主に挨拶をしたいので、ご迷惑でなければ、私も同行したいのですが。それと、此度はロードさんにスイーツの作り方を伝授していただきたいので、逆にキッチンの方が都合良いかとも思いますし」


「そうなのか。じゃあ、こっちだ。ついてこい」


「はい」