蜩、日暮、ひぐらし。 定められたであろう鳴き声は、煩わしいほどに余生の命を存分に謳歌する。 これほどまでに存在感をアピールするのには笑ってしまう。 姿は見ずとも、鳴き声だけ聞こえるのが胸くそ悪く、ああ、僕以上に煩わしい存在やなぁと独りごちた。 逝きたがりやは笑う、生きたがりやに。 その鳴き声が笑われているとも知らずに。