「ご、ごめん。これ、またうちのお母さんから」 テーブルに置いたクッキーの箱を指さし、立ち上がった。 ダメだ。 意識しちゃう…。 悠真を見ないで部屋を出ようとすると、腕を掴まれた。 「どうしたんだよ未央。何か様子が変だぞ?」 その時、フッと悠真が彼女を抱きしめてる姿を思い出してしまった。 「触らないで!」 思わず腕を振りほどき、走って部屋を飛び出す。 触らないでよ。 他の女の子を触った手で…。