【咲月side】

「石橋ー!!」
 笠寺が私を呼ぶ。
「南大樹が昼休みに西階段に来てだって」
 大樹くんが?!
「マジ?!やったー!!」
 超嬉しい!!
 7年ぶりに大樹くんと話せるんだ~。
 早く昼休みにならないかなぁ。

 給食の時間。
 昼休みまであと1時間もない!
 あと……40分ぐらいかな?
「咲月って南大樹のこと好きなの?」
 何なの?!いきなり!!
「違うよ。大樹くんとは、幼稚園生のころ仲良かったんだ。だから、久しぶりに話すのが嬉しくて」
 だって7年ぶりだもん!!
 しかも結構頭いいしね。
 びっくりしたよ。こんなに頭いいなんて。

――キーンコーンカーンコーン。
 
 掃除が終わるチャイムが鳴る。
 やった!!
 昼休みだ!!
 私はすぐに西階段へ行った。

 そこには、もう大樹くんがいた。
 こんなに近くで中学生の大樹くんを見るのはこれが初めてだ。