「ハル、暗くなる前に帰って来るのよ」

「はーい」

小学2年の幹本晴樹(ミキモトハルキ)は

先週、この町に引っ越して来た。

「後…」

遊びに行こうとした晴樹を母親が呼び止めた。

「何?」

「隣りの人は悪い人だから、気をつけない」

「悪い人なの?」

晴樹は首を傾げた。

隣りには一人の男性が暮らしていた。

名前は近堂拳(キンドウケン)

坊主頭にサングラス、髭を生やし

良く黒のスーツを着ている

確かに見て目は怖いけれど

「平気だよ、お兄さん悪い人じゃないと思うな」

「良いから、親の言う事を聞きなさい、
声かけられても付いていったら駄目よ」

「うん、分かってる、僕行くよ」

晴樹は家を飛び出した