それなのに──・・・



───バタンッ



「キャッ!勝手に入って来ないでよ!」


あたしのカラダと一緒にアイツが玄関の中に入って来た。


「なぁ、美桜は佐野に気があるわけ?」


「はっ?なに言ってんの?そんなわけないじゃない。とにかく出てって!!」


外へ追い出そうとアイツ胸を押そうとしたら…両手首を掴まれられ阻止されてしまった。


「イタッ……」


「オレ、美桜に今日送るって言わなかったっけ?くそっ……佐野なんかに抱きかかえられやがって!」



まさか、佐野先生に送ってもらってたところを見てたの?



「あたしが誰に送ってもらおうと勝手でしょっ!」


「……ムカつく」


ボソッと呟いた後、キッと鋭い危険な瞳に睨まれて