イライラしている間に、大きな音がしてエレベーターのドアが開く。
「えっ、なんでいるの？」
ドアが開いた先に、信じられない人物が目に飛び込んできた。
幻じゃないよね。
「…………」
自分の部屋に近づくと、やっぱり今、見てるものは現実で。
あたしの部屋のドアに背をもたれ、腕組みしている…アイツが立っている。
「どうしてここにいるの。帰ってよ！！」
「美桜…お前、今までアイツとどこにいたんだよ？」
低くて怖いと思った声に心臓がドクンと反応した。
なんで、あたしが怒ってるように言われなきゃいけないのよ。
怒ってるのはこっちなんだからっ！
あーもう、頭は痛いし、顔も見たくない。
あたしは無視して部屋に１人で入ろうとした。
