「2人で一緒に帰ってるんだよね。知らなかったー。佐野ちゃんと古賀っちって付き合ってたんだ?」
「こら、バカ言うなよ!今、俺はしっかり古賀先生にふられたところだよ」
「えっ!?佐野ちゃんが古賀っちにふられたの?」
「ちょっと佐野先生、そういうこと言うのやめてくださいよ!生徒が本気にするじゃないですか」
あたしのことを気遣ってか、女子生徒に佐野先生が冗談っぽく話す。
みんなにただ人気があるだけじゃなくて…佐野先生は優しい人なんだってわかった。
その時、急に自分に感じた強い視線。
そっちを向くと、アイツがあたしを強い眼差しでじっと見つめていた。
目が合うと、その目は怒っていて。
あたしはまるで金縛りにでもあったみたいに身動きできなくなって。
そして どうしてだかわからないけど、触れられた耳たぶが急に熱くなった。
なによ、どうして…あたしのこと睨むのよ。
って言うかねー、怒ってるのはあたしの方なんですけど。
思いだすと、また腹が立ってきた。
ちゃっかり女の子と遊んでてて、あたしのことまでからかって──・・・
ホントにチャラくて…サイテーなヤツ。

![スウィートレッスン[おまけ]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.776/img/book/genre1.png)
