俺様生徒の甘いくちづけ



キーンコーンカーンコーン


それから定時になり、2人で一緒に下駄箱まで歩いていると



「ねぇ、悠真~今日いいでしょ?」


「お前ウザい。そんな気分じゃねーし…」



職員用の下駄箱のちょうど後ろにある階段から、今1番聞きたくない声が聞こえてきた。


その声を聞きたくないはずなのに、あたしの視線は自然と階段の方を追っていたんだ。


そして視線の先には、顔も見たくない俺様なアイツと、明るいブラウンのロングヘアーの女子生徒が立っていた。



「もう~悠真どうしちゃったの?最近、全然相手してくれないし」


「うるせーよ」



アイツの腕にしっかり手を絡めている女の子。


それを…無視しているアイツ。


なによ、しっかり遊んでるんじゃない。


2人を見ていると、心の中がだんだん落ち着かなくなってきた。



「あっ、悠真 見てみてっ!佐野ちゃんと古賀っち 発見!」



生徒たちの間で、こう呼ばれているあたしと佐野先生。


あたしたちの姿を見つけて、女の子が声をかけてきた。