──あっ、きれい。 今度は細くて長い指に目を奪われた。 男の人特有のゴツゴツした感じが全くしない…大きいけど繊細な手。 それは何度もあたしに触れた彼の手を思い出させる──・・・ 「これで全部」 ボーッと手を見つめているうちに、破片を全部拾ってくれていた。 「あっ、ありがとう…」 お礼を言って顔をあげた、その時だった。 「…………」 こんなことって、本当にあるの? 「なに、じっと見てんの?オレの顔になんかついてる?」