「「………みーん?」」 ふたりして首を傾げた。 どう考えても今のは蝉の鳴き声だった。 いや、そんなはずはない。 だって今日から、3月以来の待ちに待った春で――― 「…さ…桜が…!!」 あんぐりと口を開けたまま固まるわたし。 だって、だって…! 「なんで…桜が散ってんだ…!?」 恢も同じような表情をして目を見開いた。