春は来ないと、彼が言った。



なんでこんなに力の差があるの…?

あの日、教室でも同じことを思った。

手首を強く掴まれた痕は、たぶん赤く残ってる。

それくらい痛かったから。


でも、今は違う。

あんな力任せの掴み方じゃない。

わかってる。

今の恢はいつもの、わたしの好きな恢だって。

怖いのは恢じゃない。

恢の返事が怖いだけ。


わたしはただ、逃げようとしてるだけで、





「お前はっ……椛は…睦が好きなんだろ!?!?」