春は来ないと、彼が言った。



「わ、笑いすぎだっつーの!!す、すごすぎたんだよ!あの桜の所為だ!!……ああもう、いつまで笑ってんだよ、ばか椛!!!」



顔を真っ赤にした恢が羞恥心で震えた声で怒鳴った。

でも全然、怖くない。

ただ可愛いとしか思えなくて。



「(………笑顔もかっこよかった)」



今までたくさんの恢の表情を見てきたはずなのに。

わたしの記憶は、占拠されてしまった。