春は来ないと、彼が言った。



今までにないほど心臓がばくばく、…いや。


ぎしぎし軋んでる…!


くらりと眩暈さえ覚える中で、ぐっと足に力を込める。

…ちゃんと恢の返事、聞かなきゃ。

逃げちゃだめだ。

……泣くのはその後にしなきゃ…!



「椛……」



く、くる!!


衝撃に耐えるように、ぎゅっと固く目を瞑った。

爪が食い込むほど拳もきつく握り締める。


怖くない、怖くないんだから…!