春は来ないと、彼が言った。



手まで震えちゃいそうだよ。

恥ずかしい。

真っ赤になってる自分の顔を覆い隠したい。


でも、それより。

そんな泣きそうな表情をしてる恢を、どうにかしたいの。



「…は……椛…?」



驚きで染まった恢の声。


自分の心臓の音がうるさくて聞き取りにくい。

なにしてるの、わたし。

次に言う言葉なんてなにひとつ、見つかってないくせに。


でも、まずは、


言わなきゃ。