春は来ないと、彼が言った。



「そんなこと、ないもん…」



なんで涙声なの。

なんで身体が震えてるの。


たぶん、それは。

わたしが自分から、恢の頬に触れてるから。


睦くんに恢を重ねてたときとはわけが違う。

掌から伝わる熱量が違う。

わたしの鼓動の速さはきっと3倍くらいになってる。



ばくばく、ばくばく。