春は来ないと、彼が言った。



恢はかっこ悪くなんかないもん。

ずっと前の約束を覚えててくれて。

朝早くにわざわざ迎えに来てくれて。

わたしなんて重いのに2人乗りしてくれて。

皺付いたら困るのに平気でブレザーを貸してくれて。

お礼のひとつも言ってないんだよ、わたし。

だめなの、わたしの方だもん。

約束だって忘れてたなんて、最低じゃん。


お願い、そんな顔しないで。





―――恢はいつも、かっこよすぎるんだから。