春は来ないと、彼が言った。



恢が自転車から降り、カシャンと車体を固定した。

降りていいのか戸惑っていると、またふわりと抱きかかえられる。


うわああああああっ!!!


二度あることは三度ある……って違うよもう!!



「じ、自分で降りれるよ!」

「あーうるせーうるせー」

「こ…子供扱いしないでよねっ!」



とさっと地面に足が着き、恢の手がすっと脇腹から抜かれた。

わたしの顔は羞恥心と怒りで真っ赤だ。