あのときの温もりに、よく似てる。






「ねぇ、椛ちゃん―――オレにしない?」






耳朶に触れた熱で、耳が溶けてしまうかと思った。

そこだけがじんじんと疼き、思考を麻痺させる。

熱に浮かされた頭はうまく回転することができない。


冷静な、判断、が、



「………り、く、…くん…」



熱い、熱い、熱い。


でも。

まさか。




恢がくれた熱よりも、ずっと、熱いなんて。