「そうそう!
美希って私のいとこやねん!」



やっぱり。



「へえ。
どうりで似てると思いましたよ」



平静を装うが、
上手くいかない。



「それよりも、
光太くん、変わったなあ」



ええ、
あなたのお陰で。



「好きな子でも出来たん?」





その時、
胸を打たれる思いがした。



僕は話を軽く流し、
その場を逃げ出した。



だって、
無理だよ。



兄貴になんか…勝てる筈が無い。





―――――『無理』って言える程、
アンタは頑張ったわけ?

好きなら好きって言って、

振られて、

スッキリしてきいや!!



その言葉が、
胸に突き刺さった。

その瞬間、
目が覚めた。



どうやら屋上で眠ってしまった様だ。



「時間…ちょうどだね」



僕は髪をかきあげてドアを開ける。