―――何であんな夢見たんやろ?



あの夢は、
どうゆう事なんやろ……?



窓の外の景色を見て考える。




『好きになってはいけない人なんているのかな』



―――この言葉が妙に引っ掛かった。

「美希?
どうしたの?」



隣を見ると、
のり姉が座っていた。



のり姉はウチのクラスの引率をする事になったらしい。


…ゴリと一緒に。



「怖い夢でも見たん?」



私は乱れた髪を手で直し、
のり姉の方に体を向けた。



「ううん。
ちゃうよ。

…そういえばのり姉って、
東京来て何年も経つのに関西弁のままやなあ」



「ああ…うん。

もちょっと標準語になる時もあるけどな。
美希が普通に関西弁使ってるしなぁ。
ちょっとまた戻ってきたかな」



のり姉はそう言って微笑んだ。


…やっぱのり姉は可愛い……。



ってそんな事考えるなんて、
私もおっさんかなあ。



そういえば、
今の夢…。



私は妖精の方を見た。