「ん?
我が妹ではないか」



「人違いです」



私は兄貴を無視して逃げた。
こんなヤツの妹なんて知られたら、染五郎さんに何て思われるか…。



「ちょっと待てよ」



兄貴は似てないキムタクのモノマネで私を呼ぶが、
私は無視し続けた。

「あ、美希ちゃん。
ワカメの妹だったんだ」



バレてもーた!!



「はあ。
いつも兄がご迷惑をおかけしてスミマセン…」



「いえいえ。
本当…いや、こちらこそ」



兄貴め…
染五郎さんに迷惑かけてんのかいっ!!



「うわあっ!
何これ!!誰これ!!!」



兄貴は妖精を指差してはしゃいでいる。
妖精は少し迷惑そうな顔をしていた。



「あ、ワカメ。
そいつは僕の弟の光太だよ」



「まじで!?」



兄貴はワカメを揺らして飛び跳ねた。



「な、なんなんだい?
この人は…」



兄貴は妖精を凝視している。



「ごめん。
私の兄貴…」



「…なるほど」



なるほどって何やねん!?
納得せんといてや!!