「ミッキー。
顔真っ赤だよ」



………えっ?


私は顔が火照っている事に気付いた。



もしや……一目惚れ!?



私の目は、
妖精と同じ様にキラキラしていた。

まさか…
まさかまさかまさか!



妖精の兄貴に一目惚れとは…



「染五郎さん…」



私は淡い吐息を漏らした。



「ミッキー。
ブラザーに惚れたのかい?」



妖精が私の顔を覗き込むと、
私は妖精の方へ目を合わせた。



「弟よ!」


「えっ」



展開が極端に早すぎた。
私の脳内ではデートどころか結婚式。



私は妖精の手を硬く握った。



「いいいいいい痛いよ。
ミッキー。」



私は妖精の手を離すと、
妖精は手をブラブラと振った。



「お姉ちゃんって呼んでええから!」



「いや、呼ばないよ?」



妖精がそう言うのを無視し、
私はスキップで校内へと入って行った。




「うーん。
ミッキーは妄想が激しいんだね。」



妖精はまだ痛い手を左右に振りながら近くの駐輪場に白馬を置いて、校内へと入って行った。