私は校長から手を離した。



すると、背中に何か違和感がある事に気付いた。



「足跡付いてるよ」



後ろを振り向くと、
誰かが背中を掃ってくれていた。



「あ、すみません」



その人はニコリと微笑んだ。



「君が桜井美希ちゃんだね?」


「はあ、そうですが…」


妖精は馬から降り、
私とその人のもとへ近づいてきた。



「ブラザー!
何をしているんだい?」



…ブラザー?
妖精の知り合い?



「あ、
紹介が遅れたね。僕は生徒会長の岩松染五郎。
この岩松光太の兄です。」



……兄?
いかにも真面目そうな感じだけど…




でも、この人…
どっかで見た事ある様な…?



私はそう思ったが、思い出せずに首を傾げた。

「あ、あの、
どこかでお会いしませんでした?」



私は思い出せなかったので、
本人に聞いてみた。



「いや…今日が初めてだけど?」



生徒会長はそう言った。
私の勘違い?



「弟が迷惑かけると思うけど、
仲良くしてやってね」



彼はそう言って校内へと入って行った。