「卒業式にはふさわしい天気だな」 「まだ3月の初めだから吹雪くかもしれないって思ってた」 「雪は残ってるけどな」 「4月にはいるまでは溶けないよ」 「そうだな」 伸也さんと交わす一言一言が胸に刺さる。 どこへ向かうでもなく私達は走り続けた。 伸也さんが言うように窓から見上げた空は晴天。 2時間近く走った後にshotに到着した。 車内での会話は殆どない。 もう会話なんて要らなかった。 最後の時間はただ側にいれただけでいい。 お互いの気持ちはお互いが良くわかっているから。