「ごめん。…それは、ちょっと」


「なんで?」


「え、っとあの、それは……」


真剣に問い詰める颯太くんを見て私は言い淀むしかなかった。


その時だった。


「「「そーたー!!!!!」」」

朝見た颯太くんの友達が颯太くんの周りを取り囲む。


「お、お前ら!!!」


『お前ら!とはご挨拶ねぇ』
『それより、どうだったの?』
『告白成功したのー??』
男の子も女の子も、颯太くんが告白することは分かっていた様子で、颯太くんに問い詰めていた。


――このスキに逃げるしかない。ごめん、颯太くん!!


「え、えっと…!私、行くね…!」



「あ、み、美優ちゃん!」



颯太くんが囲まれている間に人の波をすり抜け、学園を出た。

私の名前を呼んでいる颯太くんの声を背中で受け止めながら。




(――颯太君本当にごめんなさい!!)