「キスマーク。


これで、君はあの彼と遊べなくなったね」


「なっなんで、こんなこと……」



一瞬でも期待した私がバカだったのかもしれない。



もしかしたら遼さんは私のことが好きなんじゃないかって……


でも――

遼さんは遼さんだった。


「ただの気分。


僕は君のこと……


世界で一番嫌いですから」


「……!」



衝撃の発言に奈落の底に落とされたような感覚が私を襲う。

会って間もない人に世界で一番嫌いと言われた。


その事実が目の前を真っ暗にさせる。



なんで――


その言葉が頭の中に、反芻する。


私はただ仲良くなりたかっただけなのに――


涙を浮かべる私を楽しそうに見ながら、リビングを去っていく遼さん。



――もう無理。


心の中で私は1人呟いた。