「ここだから」
「う…うん…」
すっごい高そうなお店なんだけど…
私…
手持ちがそこまでない。
高瀬さんがくれたクレジットカードは、使いたくないし。
「あの…颯太くん…
私、やっぱり、場違いじゃないかな?
そっそんな手持ちが…」
「なーに言ってんの。
女の子がそんなコト言わない。
俺、美優ちゃんがそんな可愛い格好で来てくれるとは思わなくて。
すっげー嬉しかったんだ。
だからお礼させてよっ!」
颯太くん………
「あ…ありがとう!嬉しい」
……優しい。
そっか。
颯太くんも桜ケ丘なんだからお金持ちなんだよね。
そんな風には見えないけど…
「ほら。
ここの料理、マジで美味しいから」
笑顔でメニューを見せてくれる颯太くん。
「うんっ!」
お料理は本当に美味しくて、
颯太くんは優しくて、
夢のような時間だった――

