親戚の人に慰められても、
友達に慰められても、

ただただ上の空だった私。



そんな私に手を差し伸べてくれたのは――


お父さんの親友で、幼い時私の憧れだった弘おじ様だった。




「美優ちゃん……一緒に帰ろう?」




弘おじ様は両親の死を受け入れられなかった私を、
見守ってくれ、優しく微笑んでくれた。

そして、私の親戚中の人を説得し私を養子として引き取ってくれたんだ。






……おじ様が、大財閥の社長なんて知る由もなく。

聞かされたのはつい先日のことだった。


だけど、私はそんなことどうでも良かったんだ。



おじ様の娘になれた、ってその事実が本当に嬉しかった。