「さっ。僕は夕食の準備をしてきます」 チャンスだ。 私もお手伝いしようと立ちあがると、 「あ、私も…!」 「いいです。僕がやりますから」 遼さんはピシャリと拒絶した言い方で微笑んだ。 やっぱり、どう見ても2人とも私のことを歓迎していない。 さっきの気遣いも、気まぐれなんだろう。 「あ…はい…」 私の弱々しい返事が宙に浮いた。 私―― この人達に家族ってちゃんと認めてもらえるの? そう思うと、胸がキリリと痛くなった。