…いないんだ。この世には、もう。


そう考えると、涙がじわじわと込み上げてくる…………………はずだった。いつものあたしなら。


涙なんて少しも出て来ない。


“………………あたしはダメな子だから、涙まで出なくなっちゃた。”


「そうだよ、あたしは母親が死んでも涙が出るほど悲しめないような、酷い奴なんだ… 感情がないんだ………」


今まで、ずっと一人だった。


母親はあたしを置いて家を出て行くし、父親は事故死。


家でも、学校でも、あたしは一人なんだ。


「……………孤独」


自分で呟いてみても、何も感じない。