「マッチを買いませんか?」


彼女らは、マッチを売り、幸せを売り。

まがいもの、だったかもしれない。

しかし、喜ぶ顔がそこにある限り、奇術はなくならない。

新しいタネが生まれ続ける。

マッチが燃え尽きてしまい、温かみが消えてしまっても。そのマッチが灯(とも)した暖炉はいつまでも燃え続けるのだから。


おしまい。