「お前、覚えてねぇの?」 「えっ?なにを?」 「急にぶっ倒れたから、俺がここまで運んだんだけど」 「……あたしが、倒れた?」 えっ? じゃあ、さっきのって夢じゃないの? 『俺のものになれよ』とか……。 あの甘い台詞は……現実のもの? えっ……?だとしたら、それって……。 唇をそっと指で撫でると、流星はクッと口の端を持ち上げる。