「わりぃ、俺もういくわ」


「……えっ?」


流星はあたしの頭をガシガシと撫でると、鋭い目をほんの少しだけ細めた。


今まで見たことがないくらい優しい表情。


でも、その柔らかい笑みはすぐに消える。



「またな、花音」


また名前……。呼んでくれた。


花音って……またなって……言ってくれた。


どうしよう……。嬉しすぎる……!!


すると、流星は窓を勢いよく開けるとそのまま飛び出していった。



「……って、早川君……!!じゃなくて、流星!!」


窓から飛び降りるなんて、何を考えてるの!?


慌てて窓際に駆け寄って身を乗り出すと同時に、教室の扉が勢いよく開いた。