「それ、コウタの新しい連絡先だよ。流ちゃん……コウタを許してあげて?」


その紙切れをジッと見つめながら流星は何かを考えているように見える。


ほんのわずかな時間がとてつもなく長い時間に感じられて。


場の空気がピーンっと張りつめているみたい。


「流ちゃん……お願い……受け取って?」


杏ちゃんのかすれた声の後、流星はポケットに入れていた右手を出して紙切れを掴んだ。