「へぇ……。あいつ、俺だけじゃ飽き足りずに花音にまで……」


廊下で教科書を投げつけられた話をすると、流星は鬼のような形相でフローリングの床を睨みつけた。


流星の体中から溢れる怒りオーラ。


今まで見るどんな流星よりも恐い。


「あの女のせいで退学になるなんて、バカバカしい。二度目はないってこと分からせてやる」


「……流星?」


「あの女……絶対許さねぇ……」


流星は煙草をテーブルの上の灰皿でもみ消すと、フローリングに膝をついてあたしの体をギュッと抱きしめた。