不良彼氏と胸キュン恋愛【完】

「……――いつからだ」


流星は汚れた上履きを手にとって、眉間に皺を寄せる。


「……先月の初めくらいかな」


「他には何やられた」


「ううん……上履きだけ」


正直に答えると、流星の声に怒りがこもった。


「……――何で早く言わなかったんだよ」


「ごめんね……。流星に知られるのが……恥ずかしかったから」


「恥ずかしい?どうして」


「だって……」


どうしてかって聞かれたら、自分でもよく分からない。


だけど、流星に話すのはためらわれた。


だって……誰かに嫌がらせをされる彼女なんて、恥ずかしいでしょ?